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Seoul Times。

韓国の大学に通う日本人留学生のブログ

好きこそものの上手なれ

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(写真はCotswoldsで撮影)

 

9月1日(木)から新学期が始まり、キャンパス内に活気が戻ってきました。

 

今日は、自分の話ではなく教授から聞いたある学生の話を書きたいと思います。

(内容では伝聞ではなく物語のように書きました。)

 

 

何年か前に遡りますが韓国の某大学で中東政治関連の講義をしていた教授。

 

新学期最初の講義。新学期の最初の講義というのは、だいたいどれもオリエンテーションや講義の概要について30分~1時間ほど説明して終わります。

その時も同じように講義についての簡単な紹介をして終えました。

 

講義を終えた後、教壇から下りて帰ろうとした教授のもとにある一人の学生が近寄ってきて、教授にむかって「今日の講義を聴いて自分の人生を中東にかけてみたくなりました。」と興奮気味に言いました。

教授は、心の中で「たった1時間の講義で、しかも講義のさわりの部分を聴いただけで自分の人生を懸けてしまうなんて。。。」と思いつつも、

学生にむかって優しく「もし1学期の間中東に対する情熱が増し維持できれば、1学期すべての講義が終わった後に私のもとに来なさい。」と言いました。

心の中では、「はたして1学期の間モチベーションが維持できるはずはないだろう」と考えながら。。。

 

そして1学期の間講義が進んでいき学期末の試験も終わった頃、学期初めに来た学生が再び教授のもとに訪ねてきました。

1学期の間講義をしっかりと聞きました。学期中、中東に対する情熱は消えることがなく増す一方でした。」

「中東についてもっと専門的に知りたいです。何を勉強したらいいですか。」と学生は続けて言いました。

教授は学生が再び訪ねてきたことに驚きつつも、「まずは言語から始めなさい。アラビア語を勉強するといい。」とアドバイスしました。

学生は、「アラビア語はどうやって勉強すればいいですか?」と質問すると、教授は「現地に行きなさい。」と告げました。

 

教授はアドバイスをしたものの、この時点でもまだ学生がどのくらい中東に関心があるのか半信半疑でした。

しかし、アドバイスをしてから1週間後、その学生は教授のアドバイス通りアラビア語を勉強しにエジプトのカイロへと旅立ちました。

 

カイロに着き最初の頃は、学生は教授に対して、「到底こんな貧しくて住みにくいところには住めない」と弱音を吐いていましたが、留学から半年後に教授がカイロに出張するついでに学生に会ってみると現地に適応してるようでした。

留学から1年後に再び教授が学生のもとを訪ねてみると、学生はアラビア語をネイティブとほぼ同じ水準まで喋れるようになっていました。

 

教授は衝撃を受け学生にどうやって1年間でアラビア語をマスターしたのか尋ねました。

学生は自分の勉強法をこのようにまとめました。

 

814時までは現地のアラビア語語学学校の授業をうける。

14時からはタクシーを一台捕まえ1日カイロを回ってもらえるくらいの金額を(交渉して)払う。そしてカイロの街中の観光名所やスポットに行ってはそこにいる現地人と会話をする。タクシー乗車中も運転手と会話する。

 

という方法を1年半ずっと続けたそうです。1年半ずっとです。。。

 

学生は、現地のいろんな人を通してアラビア語を学んだため多少の訛りや癖がついたものの1年半という短期間ではありえない水準までアラビア語をマスターしたのでした。

1つの外国語を何年も学んである程度身につけた人はわかると思いますが、上達すると自分のどこに癖がありネイティブとどこが違うのかわかるようになると思います。この学生も後に癖を少しずつ改善していったそうです。)

 

このようにして1年半のあいだ学生は、韓国の大学を休学してカイロでアラビア語を勉強して、1年半の留学を終えて韓国の大学に復学しました。

 

大学に復学した学生は、中東に関心のある他の学生を集めて中東の様々な問題を研究するための学生セミナーを設立し活動しました。

そして大学卒業後は韓国の外交部に中東のスペシャリストとして呼ばれました。

 

ある時、エジプトの外交長官が韓国を訪れて演説をしたとき、質問を受け付けると彼(元:学生)は流暢なアラビア語で質問をしました。これに対し、外交長官は「両親どちらかがアラビア語圏出身か?もしくは小さい時そのような国で育ったのか?」と感嘆しました。

 

また韓国外国語大学のアラビア語学科のある教授は、彼のアラビア語を聴いて「少なくともそのレベルに達するにはアラビア語を最低でも6年間勉強したはずだ」と言いました。もちろん彼は1年半留学していただけです。

 

現在まで彼は外交部で活躍しています。

 

 

ここまでが教授に聞いた話です。

 

もちろんこの話には、極端なところもあり誰もが真似できることではないと思います。

 

ただ自分は、この話を聞いて衝撃を受けました。自分の好きなものに対する正直な気持ちと情熱の注ぎ方は目を見張りました。

自分の気持ちに正直にやりたいことは何か?と問うこと、そしてそれが明確なときよそ見せずに全力を注ぐこと。

自分も留学生活をしながら当初持っていた情熱というものを見失いつつありましたが、この話を聞いてもう一度自分自身を見返すきっかけになりました。

 

好きこそものの上手なれ。この言葉は、自分は何をしている時が楽しいのか?自分は何が好きなのか?を明確にするところから、その気持ちに忠実になることが大切だと言ってるのかなぁと思います。

 

*いっぺんに書いたので誤字などがあったり話の流れがわかりづらかったりするかもしれません。後々修正も加えていく予定です。